Vol.58 Nov./Dec. 2019

Vol.58_hyoushi特別企画◎令和時代の皇室と国際親善

変わらないものへの畏敬と安らぎ――即位礼正殿の儀に参列して
平成の即位礼に事務方として関わった藤崎氏。三〇年の時を経て令和の即位礼に参列する中で感じた、新しい皇室と、その国際親善の可能性とは。
藤崎一郎(中曽根平和研究所理事長)

天皇陛下の水研究と国際社会
中世の水運研究から「幸福・平和・繁栄のための水」へ。「水」への関心の流れは、国連委員会の名誉総としての世界の水問題への考察とその解決への呼びかけにまで広がる。陛下の水に対する思いとは――
廣木謙三(政策研究大学院大学)

世界の王室とその外交的役割——イギリス王室を事例に
華やかさの裏に、粘り強く関係を保つ皇室や王室による「国際親善」がある。反目する国々のバランスを取り、ブレグジット対応でEUを駆ける英国王室外交のあり方から考える。
君塚直隆(関東学院大学)

資料・天皇皇后両陛下の外国ご訪問

TREND2019

「第一段階」としての日米貿易協定
スピード重視で行われた日米貿易協定交渉。「互いに実を取った交渉」とも評価できるが、WTO協定上の疑義も指摘される。
牛肉・豚肉の自由化カードを既に切った日本は、厳しい「第二段階」の交渉を余儀なくされよう
菅原淳一(みずほ総合研究所)

市場か自由か―NBA「香港ツイート」騒動の顛末
SNS上での発言が、米中両国を揺るがす騒動に。中国政府は国民の「民意」を建前に、意に沿わない外国企業への圧力を強めている。世界最大規模の市場であり、報道と言論が統制された中国国民のリアルな「民意」とは。
西本紫乃(北海道大学)

トルコのシリア越境攻撃——その目的と域外大国の駆け引き
トランプ大統領の「シリア北部から米軍撤退」発表が引き金になったトルコのシリア領内侵攻。実効支配勢力PYD/YPGの自治を認めないトルコ、アメリカの後ろ盾を失い必死のPYD/YPG。それに対して、ロシアの存在感が大きくなっている。
今井宏平(アジア経済研究所)

サウジ石油施設攻撃の衝撃
ペルシャ湾での、何者かの一連の攻撃に続き石油施設への精密ドローン攻撃が――。渋るアメリカから増派を得ながら、同時にイランの影がちらつくフーシー派との交渉も進めるサウジアラビアの「出口戦略」は。
近藤重人(日本エネルギー経済研究所)

英国の総選挙とBREXITのゆくえ
「合意なき離脱」が回避され、英国は総選挙へ。総選挙後に待ちうけるのはBREXITの決着か、それとも、さらなる混迷か。
まるでジェットコースターのような最近の事象を整理し、英国総選挙のゆくえを展望する。
力久昌幸(同志社大学)

ベルリンの壁崩壊三〇年、岐路に立つ欧州——ロシアに接近するマクロン仏大統領の思惑
「米国第一主義」に危機感が高まる中で、マクロン大統領は、ロシアに急速に接近している。背後にあるのは、米中対立と中ロ接近という「グレートゲーム」の存在だ。
渡邊啓貴(帝京大学)

ローマ教皇訪日 三つの意義——核兵器・環境・労働から読み解く
ローマ教皇が三八年ぶりに日本を訪問した。そのメッセージは、世界一二億人のカトリック信者のみならず、国際社会が広く注目する。バチカン外交の戦略と、日本訪問の意義を読み解く。
松本佐保(名古屋市立大学)

チリ「社会危機」の意味するもの——「南米の優等生」で爆発した人々の不満
地下鉄運賃の値上げをきっかけに、学生から始まった騒動は、社会全体に広がり、要求も運動の核もないまま先鋭化している。
権力への怒りが、SNSを介して広がるソーシャル・メディア・クライシスの行方は。
北野浩一(アジア経済研究所)

追悼・緒方貞子氏 世界が敬愛した人道と国際協力の巨人
北岡伸一(国際協力機構理事長)

追悼・シラク元フランス大統領 教養と庶民性を併せ持った親日家大統領
小倉和夫(元駐仏大使)

Around the world

激しさを増す気候変動COP25の課題は
亀山康子(国立研究開発法人 国立環境研究所)

2 度の連立失敗ネタニヤフ政権のゆくえ
江﨑智絵(防衛大学校)

特集◎技術は新しい覇権を生むか

深まる世界秩序の不確実性
技術覇権をめぐる米中対立は、冷戦とは異なる国際政治構造を生み出しつつある。中国発の技術革新がもたらす安全保障環境の変化は、米国や日本にどのような影響を与えるか。
鈴木一人(北海道大学)

岐路に立つ日本の科学技術外交――カギをにぎるAI、日米連携、中国
科学技術外交の推進が叫ばれて久しいが、グローバル課題、技術覇権争い、安全保障面での変化が著しいいまほど、その真価が問われる時代はない。二〇一五年から初代の外務大臣科学技術顧問を務める岸氏に聞く。
岸輝雄(外務大臣科学技術顧問)

「キラー・ロボット」をめぐる技術革新と倫理
AIが自動的に攻撃し、人を殺戮する……?自律型致死兵器システムは、喧伝されたような「キラー・ロボット」ではないが、技術の進展により自動か自律かの境界もまた変わっていく。各国は、倫理や規制をどう考えているのか。
佐藤丙午(拓殖大学)

中国・建国七〇周年 軍事パレードに見る技術革新
情報技術、無人機、超音速巡航ミサイル。軍事パレードから、中国最新軍事技術のトレンドと対米軍事戦略が読み取れる。と同時に、国内向け共産党統治の正当化宣伝など、内政の複雑な事情も垣間見える。
小原凡司(笹川平和財団)

「宇宙の安全保障」はどれほど現実的か——宇宙システムの安全から考える
中国の「制天権」、米国の「宇宙軍」構想。米中対立の中、宇宙空間の安全保障が首脳の口に上る。果たして、宇宙を舞台にした軍事行動は可能なのか。国際宇宙ステーションに長年携わった専門家と、国際協力の現状をもとに可能性を考える。
長谷川秀夫(元JAXA執行役)

特別企画◎歴代外務次官が語る平成日本外交史

積極的平和主義を支えたNSCと安保法制
オバマ広島訪問の功労者、岸田大臣とケネディ大使
齋木昭隆(さいきあきたか、次官在任 2013~16年)

歴史エッセイ
真珠湾奇襲 対米通告はなぜ遅れたか——「在米大使館責任論」再考

日米開戦において、日本による真珠湾への「騙し討ち」はなぜ生じたのか。軍部による遅延工作の実態を読み解き、歴史の真実に迫る。
井口武夫(元駐ニュージーランド大使)

◎連載

数字が語る世界経済21
伊藤信悟(国際経済研究所)

ゴルゴ13が教える海外安全対策 10

キャリアの話を聞こう 15
公的部門にこそ必要なビジネス経験
村上由美子(OECD東京センター所長)

外交最前線12
「この指、止まれ」の日中交流
福田高幹(在上海日本国総領事館領事)

ブックレビュー
板橋拓己(成蹊大学)

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