Vol.66 Mar./Apr. 2021

Vol66_Hyoushi巻頭インタビュー 
阪神・淡路から東日本大震災へ
「連帯」の思想を紡ぐ
五百旗頭真
(ひょうご震災記念21世紀研究機構)

特集◎問われる国際協調-防災と感染症

国連からのメッセージ
複合災害時代の国際協力
-震災・コロナ・気候変動から考える

水鳥真美(国連防災機関長)

グローバル・ガバナンスからみたコロナ危機
新型コロナの感染拡大は、各国のガバナンスとともに、国際保健分野におけるガバナンスにも、課題を投げかけた。各国政府と国際機関がひしめくアリーナで制作のパフォーマンスを上げるために、誰が何をすべきなのか。その構図を読み解く。
城山英明(東京大学)

正しいリスク評価と公平なワクチン分配を-国際協力体制を再構築できるか
新型インフルエンザ対策で培われてきた国際協調体制は、コロナ禍のもと、なぜ機能しなかったのか。
田代眞人(国立感染症研究所)

ワクチン争奪戦を左右した各国の政治決断
新型コロナのワクチン獲得競争に出遅れた感のある日本。欧米各国との競争を左右したのは、バイオ医療産業の裾野をなすベンチャー企業の層の厚さに加え、発注判断の遅れも起因した。中国やロシアの状況も含め、世界のワクチン開発/獲得競争を読み解く。
村中璃子(医師・ジャーナリスト)

「世界の薬局」インドのワクチン開発・分配戦略
世界的な新型コロナワクチン開発競争の中でインドの医療品開発・製造能力が脚光を浴びている。インディラ・ガンジー時代に自国産業化され、グローバル・バリュー・チェーンの中にいるインドは、コロナワクチン開発・製造競争の主導権を握るか。
上池あつ子(中央学院大学)

FUCUS◎「中国の論理」と国際社会

バイデン外交ドクトリンと対中政策の路線
内政外交ともに「反トランプ」が際立つバイデン政権においても、対中強硬外交の基本路線は継続しそうだ。政権の構造に分け入り、外交のキーパーソンの発言を読み解きながら、その内実を探る。
秋元諭宏(笹川平和財団)

中国海警法と拡大する国内論理
今年2月に施行された中国の海警法。中国海警の制度的・歴史的ルーツを紐解きながら、中国の国内論理が貫かれる海警法の問題点と、国際社会の対応を考える。
山本勝也(防衛研究所)

全人代にみる習近平指導部の自信と警戒-国内バランスの変化が対外行動に反映
五ヵ年計画に加えられた「新たな発展段階」。コロナ禍からの回復など国力への自信の一方、「社会主義市場経済」の矛盾が拡大する不安を強く持つ習政権は、高度成長が鈍化する国内と「東昇西降」の世界情勢をうまく止揚できるか。
加茂具樹(慶應義塾大学)

中国「双循環」戦略への期待と懸念
半導体対中供給規制などの「脱中国依存」やコロナ禍で不透明な経済の先行きに対応し、内需拡大に立脚した新経済成長戦略「双循環」。昨秋から続く経済関係重要会議の跡付け、その背景と国際経済秩序へのインパクトを探る。
森 路未央(大東文化大学)

特別インタビュー

安倍外交7年8ヵ月を語る(上)日本復活の礎となった日米同盟再強化
安倍晋三(前内閣総理大臣)

安倍外交7年8ヵ月を語る(中) 「自由で開かれたインド太平洋」にみる戦略的思考
安倍晋三(前内閣総理大臣)

安倍外交7年8ヵ月を語る(下)トランプ大統領を国際協調につなぎとめた直談判
指導者としての人格と力量を問われるG7での真剣勝負。錯綜した議論を整理し、合意に向けて議論をリードするG20。長期政権ならではの多国間外交の醍醐味に加え、普天間、改正入管法、コロナと、日本が直面した課題についても縦横に語る。
安倍晋三(前内閣総理大臣)

◎トレンド2021

経済外交 次なる一手-自由貿易の深化とデジタル経済のルール作り
複数のメガFTAに加わり、自由貿易網の結節点の役割を果たす日本。その経済的・地政学的含意、デジタル経済をめぐる国際ルールの論点、コロナ禍における新たな政策協調の動きなどを、日本の経済外交のかじ取り役に聞く。
四方敬之(外務省)

国益最大化のための経済安全保障
経済と技術が安全保障と深くかかわる時代。脅威の現実を踏まえつつ、日本の安全、反映、価値をどう確保し最大化していくか。デジタル・サイバー分野の課題から考える。
赤堀 毅(外務省)

外交停滞で足元の強化図る金正恩-朝鮮労働党第8回大会を読み解く
永久欠番だったはずの「総書記」の称号を継いだ金正恩は、朝鮮労働党の党勢を急速に拡大した。米国政権移行で米朝交渉の進展が見込めないなか、経済の「自力更生」を引き続き進めながら権力基盤の強化を図っている。
磯崎敦仁(慶應義塾大学)

呉越同舟の限界・ミャンマーのクーデター-根深い対立、混乱は長期化の懸念
国軍によるクーデターの背景には、スー・チー氏と暗黙の合意をめぐる対立がある。ミャンマーの国内権力闘争に国際社会や日本がどう働きかけるべきか、解決には対立構造の理解が重要だ。
中西嘉宏(京都大学)

ナヴァリヌィ拘束はプーチン体制を揺るがすか
毒殺関与を否定するプーチン大統領とメディアだが、ネット時代の意識には小さな変化がみられる。政権は欧州からの暗殺批判への反論に躍起だが、長期政権維持のリスクが浮上しかねない。
駒木明義(朝日新聞)

「アラブの春」から10年 イスラム主義はなぜ敗北したのか
「アラブの春」後の中東混乱は、民主化運動の担い手と期待された「穏健なイスラム主義」が後退するプロセスでもあった。その構図を読み解き、中東政治「再生」の可能性を考える。
末近浩太(立命館大学)

FOCUS◎大統領選挙後のアメリカ社会

SNSとフェイクポピュリズム-「関心市場」の社会的デザインを探る
刺激的なコンテンツが人間の思考の盲点を突き、SNS「関心経済」に適合して拡散する。社会はこうして分断されてきた。人々の熟慮を促進するアーキテクチャは作れるのか。法は関心経済の「外部」をデザインできるのか。
山本龍彦(慶應義塾大学)

郵便・電子投票で民主主義のデジタル化は加速するか
米大統領選でトランプ支持者が根強く主張した「郵便投票・電子投票の不正」は本当にあったのか。その仕組みや不正の可能性から検証し、コロナ禍の下での新しい民主主義への可能性を探る。
湯淺墾道(情報セキュリティ大学院大学)

「カトリック大統領」バイデンの困難な船出
内部に「分断」を抱える米国のキリスト教会。プロテスタント福音派に加えて、カトリック保守も、「カトリック大統領」バイデンの政策を批判する。宗教の視座から、政権と外交の前途を占う。
松本佐保(名古屋市立大学)

国際交流基金理事長インタビュー
コロナ時代の国際交流を模索する
国際交流基金(JF)は、来年に創設50周年を迎える。世界の日本認識が大きく変化した半世紀を振り返るとともに、今日における日本の文化外交の展開を語る。
梅本和義(国際交流基金理事長)

史料は語る
外交記録公開から見る1989年の日本外交
公文書の管理・公開・活用の意義が再認識される昨今、外務省は外交文書の公開を積極的に続けている。昨年末に公開された文書を手掛かりに、史料が描き出す日本外交の姿を読み解く。
武田 悠(広島市立大学)

連載

数字が語る世界経済28
新型コロナで膨らむ債務
世界の主要国・地域の債務残高は対GDP比277.7%に拡大(2020年9月末)
伊藤信悟(国際経済研究所)

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伊藤亜聖(東京大学)

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評者:
山口 航(帝京大学)
武見綾子(東京大学)

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