vol.54 Mar./Apr.2019

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巻頭インタビュー
2025年大阪・関西万博 ソフト・レガシーを生かして関西経済の起爆剤に

松本正義(関西経済連合会会長 住友電気工業取締役会長)

特集◎米中は新冷戦に向かうか
米中貿易摩擦の背景には、中国の補助金政策、知的財産保護問題や、技術移転、先端技術をめぐる覇権争いがある。安全保障や経済プラットフォームなどの分野が交錯するハイブリッドな対立の構図を読み解く。

座談会
強硬路線は変わるか 米中「ビッグ・ディール」の可能性
貿易摩擦を超えて、将来の技術覇権をめぐる争いと安全保障問題がリンクする現状を読み解く。今後の米中対立がどのような展開を見せるか、日本や世界にどのような影響を与えるか考察する。
津上俊哉(津上工作室代表)
森聡(法政大学)

中国のハイテク発展をゆがめる「中国製造2025」
〈中国製造2025〉は、先進諸国に対抗する意図やWTOの原則に抵触する内容が含まれる一方で、政策先行のゆがみも目立つ。中国ハイテク発展のために、この政策は必要なのか。
丸川知雄(東京大学)

ファーウェイ問題と米中サイバー戦争
製品に脆弱性を仕込んで情報を抜き取るサイバー犯罪では、情報がどこに送られ、利用されているかが問題になる。中国の軍民融合は警戒すべきリスクであり、国際的なデータ保護のルール作りが必要だ。
土屋大洋(慶応義塾大学)

《全文公開》欧州民主主義国家を襲うフェイクニュースの脅威……藤代裕之(法政大学)
民主主義社会の意思決定のプロセスを逆手に取り人々の心に不安を広げる「兵器」、フェイクニュース。欧州では各国の連携で対抗する動きがある。日本の対応が急務だ。

《全文公開》「経済的国策」をめぐり激化する米中競争——エコノミック・ステイトクラフト(ES)にどう対処するか……井形彬(多摩大学)
「経済をテコに地政学的国益を追求する」
ESは、経済的手段やサイバー攻撃の組み合わせでより巧妙に目的を果たそうとしている。自由主義諸国は、今こそ国内の法整備や国際的連携で対抗する必要がある。

宇宙をめぐる米中対立——新たな紛争領域となるか
長らく「戦争のない領域」だった宇宙。しかし中国の宇宙戦能力拡大は米国の宇宙利用にも影響を与えている。新たな「宇宙戦」のかたちはどうなるか。装備や思想から分析する。
福島康仁(防衛研究所)

戦略的空間として収斂する「インド太平洋」
米中拮抗化と地域内パワー分散化が同時並行に進むインド太平洋地域。関係各国の国防費の推移と、西太平洋とインド洋の戦略環境を分析し、地政学的競争の今後を展望する。
神保謙(慶応義塾大学)

TREND2019
「新冷戦」かベネズエラ危機
急展開を見せるベネズエラ情勢。混乱する国内情勢の収拾のみならず、マドゥロ大統領支持の中・ロとグアイド支持の米・欧諸国に分かれ、「新冷戦」の様相を呈している。
遅野井茂雄(筑波大学)

米軍撤退後を見据えたアフガニスタン和平
長く紛争が続いてきたアフガニスタン和平が大きく進展を見せている。タリバンが軟化している好機を捉えるべきだ。いくつかの和平シナリオを検討する。
青木健太(お茶の水女子大学)

「黄色いベスト」の興亡に見る仏の現実
燃料課税強化をきっかけに盛り上がったデモは燎原の火のようにフランス全土に広がったが、イタリアのポピュリズム政党とのつながりやならず者の便乗が嫌気され落ち着きつつある。マクロン大統領の徹底対話方針は功を奏すか。
山口昌子(ジャーナリスト)

日本はなぜIWCを脱退したか
日本は国際捕鯨委員会(IWC)を脱退した。商業捕鯨禁止・制限の議論は実際、どのように行われてきたのか。その歴史的経緯と主張を振り返り、今後の捕鯨に関する議論のあり方を展望する。
八木信行(東京大学)

FOCUS◎不透明さを増す北朝鮮非核化プロセス
一期目の折り返し地点を過ぎた米国トランプ政権。外交・安全保障関係の人事は、当初から大きく変わった。2度目の米朝首脳会談、中国、韓国を含む北東アジア情勢を展望し、日本外交の針路を確認する。

トランプ・金正恩 それぞれの「誤算」——米朝首脳会談の「構造」と「展望」
非核化とは「現実の核」か「将来の核」か。それは「一括して」行わせるのか、「段階的に行う」ことを飲ませるのか。条件のマトリクスに浮かぶ双方の思惑を読み解き、「二国間協議」の次の展開はどうなるかを占う。
李鍾元(早稲田大学)

岐路に立つアメリカと北朝鮮——米朝首脳会談の舞台裏から
「ビッグディール」不成立の背景にあるトランプ大統領の狙いは何だったのか。金委員長はどこでシグナルを見誤ったのか。米朝双方の思惑を分析する。
油井秀樹(NHK)

《全文公開》米韓「未来連合司令部」構想とトランプ政権——変則的指揮体系の可能性と限界……倉田秀也(防衛大学校)
「韓国軍が米軍を統制する」連合司令部の創設が検討されている。韓国側では北朝鮮との軍事的信頼醸成、トランプ政権側では経済的動機による同盟関係見直しの動機がある。米韓同盟は変質するのか。

トランプ大統領2020年への再選戦略
共和党各派の主張に合わせた政策と実行力で、巧妙に「連合」をつくる、それこそがトランプの共和党操縦術だ。モザイク的・多面的な主張は民主党が攻めあぐねる大きな要因となる。
渡辺将人(北海道大学)

特別企画◎
歴代外務次官が語る平成日本外交史
小和田恆(次官在任1991~1993)
湾岸戦争で直面した中東外交の課題

冷戦後の日本外交を柔軟な構想力で率いる

柳井俊二(次官在任1997~1999)
法案から実施まで担ったPKOの生みの親
重層的なアジア外交を展開

連載

数字が語る世界経済
伊藤信悟(国際経済研究所)

《全文公開》ゴルゴ13が教える海外安全対策6

アラウンド・ザ・ワールド

緊迫の印パ対立
笠井亮平(岐阜女子大)

北マケドニアの誕生
村田奈々子(東洋大学)

ILO(国際労働機関)100周年
清家篤(私学事業団理事長)

外交最前線
近代日本の歩みを英語で学ぶ
白鳥潤一郎(放送大学)

ブックレビュー
板橋拓己(成蹊大学)

外務省だより
外務省セミナー「学生と語る」

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