Vol53, Jan./Feb. 2019

Vol.53_Hyoushi_gaikouweb_000001巻頭インタビュー
企業は国際社会の「良き市民」たれ—食の国際戦略と自由主義経済を語る
茂木友三郎(キッコーマン取締役名誉会長)

特集◎2019年の世界と日本を読み解く

《全文公開》新段階に入った米中競合とアジア
ますます激しさを増す米中「貿易戦争」。その深層には、戦略的な競合が潜んでいる。米中関係の不透明さに適応を迫られるなかで、何が求められているのだろうか。
ビラハリ・カウシカン(元シンガポール外務次官)

インド太平洋の新しい国際秩序と日米中関係
米中対立は、国際秩序をめぐる対立に発展しつつある。地域の信頼醸成のために、日米中は何をすべきか。
日本は外交原則に立ち返っての粘り強い対応が必要だ。
佐々江賢一郎(日本国際問題研究所理事長)

新防衛大綱・中期防の焦点
前回二十六年防衛大綱からわずか五年で新たに策定された三一年防衛大綱・中期防。
その主要概念として打ち出された、多次元統合防衛力とは何か。護衛艦「いずも」の「空母化」は何を意味するのか。
森本 敏(拓殖大学総長・元防衛大臣)

《全文公開》困難に直面する米国の通商政策
貿易問題で、強気な発言をくり返すトランプ大統領。だが、その貿易政策は、国内外での困難に直面することになるだろう。
米中、日米、NAFTAの貿易交渉を中心に、米国の貿易交渉の行方を占う。
ウェンディー・カトラー(アジア・ソサイエティー副代表)

米ロ対立と核兵器をめぐる関係-戦略的安定の時代は終わったのか
冷戦後の「核の忘却」の時代が終わり、再び核抑止が大国間の戦略的関係の焦点に。しかし、新たな戦略環境、新技術の登場などで従来の「戦略的安定性」は揺らいでいる。軍備管理をいかにするか、それが問われる。
秋山信将(一橋大学)

海洋の国際規範からみたインド太平洋-その語られ方と米国の視点
どの国も排除せず、主権を尊重し、公平かつ互恵的な貿易と法の支配の価値を共有する。
「自由で開かれたインド太平洋」は、プリンシプルそのものであり、価値観の異なる相手と対する際の原則でもある。
ロバート・ギリア(パシフィック・フォーラム代表)

内憂外患の中国経済多難な成長持続への道
中国政府は債務の圧縮を進め、成長の伸びは鈍化している。米中貿易摩擦への対応も待ったなし。構造改革をなしとげ安定成長の軌道に乗せる道のりは多難だ。
齋藤尚登(大和総研)

《全文公開》「普通」の日韓関係へ
日韓は、基本的利益や戦略的利益を、もはや共有しえないのだろうか。韓国の最近の行動と原理を読み解くことで、世界に開かれた、新たな日韓関係を展望する。「諦韓」することはない。
浅羽祐樹(新潟県立大学)

金正恩「新年の辞」を読み解く
昨年とは大きく様変わりの「新年の辞」。自ら「完全な非核化」に踏み込むかたわら交渉を厳しく条件づけた。
一方で南北関係構築には自信をのぞかせ、北朝鮮の生存戦略が浮き彫りとなった。
礒﨑敦仁(慶應義塾大学)

再選に黄信号灯るモディ首相-インド総選挙のゆくえ
総選挙で二期目を目指すモディ首相だが、昨年は地方選挙や補選で苦戦を強いられた。好調な経済指標とは裏腹に雇用など労働環境や農民の債務状況が好転せず、人心の乖離を招いている。
笠井亮平(岐阜女子大学)

混迷のBREXIT 残された選択肢
一月中旬に英国議会で採決された離脱協定案。国境問題と関税問題とを宙ぶらりんにする「次善の策」への激しい反発が混乱を助長した。メイ首相の指導力低下で「合意なき離脱」は現実のものになるのか。多角的に考える。
力久昌幸(同志社大学)

揺らぐ「独仏枢軸」欧州の遠心力強まる
英国なき後のEUのリーダーと目されていた独仏の関係悪化は、ポピュリズムの盛り上がりによるEUの理念を掲げ続けることの困難だけでなく、ユーロに象徴される経済統合の「無理」が底流にある。欧州各地で感じられる「反乱の空気」をレポート。
三井美奈(産経新聞)

中東の「二つの停戦」にみる米国の責任転嫁
突如表明され世界に衝撃を与えた米国シリア撤退。イスラエルがシリアで単独軍事行動を行うなど、影響がたちまち出始め、臆測を呼んだ。急接近するトルコとロシアにシリアを任せる、そのことこそがトランプ政権の狙いだ。
中村 覚(神戸大学)

TICADⅦに向けた日本のビジネス戦略
八月、アフリカ開発会議(TICADⅦ)が、横浜に戻ってくる。グローバル化する世界の中で、アフリカは成長が見込める地域だ。“小さくてもグローバル化”が課題の日本の中小企業にとって、一歩踏み出すチャンスである。
白戸圭一(立命館大学)

メキシコ・ロペス=オブラドール政権の多難な船出
民主化後初の左派政権が発足したメキシコ。財政緊縮を維持しつつ福祉をいかに充実させるか、石油窃盗・麻薬密輸など組織犯罪を抑え込めるか、トランプ政権との国境問題など課題は山積だ。
馬場香織(北海道大学)

TREND 2019

親中路線の「夢」破れたカナダ・トルドー政権
ファーウェイCFO逮捕の舞台になって以来、中国と強い緊張が続くカナダ。良好な米中関係を前提に考えられていたカナダの対中政策は、「力の逆転」によって根本から揺るがされることになった。
川﨑 剛(サイモン・フレーザー大学)

スリランカ大統領が演じた「政変」の意味
昨年一〇月、シリセーナ大統領は突如、ラニル首相を解任。政敵だったはずのマヒンダ氏を首相に任命、さらに国会議員選挙を企図したが司法に阻まれた。この「政変」の意味は何か。はたして中国・インドの関わりはあったのか。
荒井悦代(アジア経済研究所)

「戦場の武器」としての性暴力-深まるコンゴの苦しみ
ノーベル平和賞のニュースの言葉、「紛争下の性暴力」とは何か。武装グループ間の戦闘が続くコンゴ東部では何が起きているのか。被害者が事実を語り始める中、グローバルなサプライチェーンの「資源」にも関わる、暴力を根絶する国際社会の本気が問われる。
別府正一郎(NHK)

これからのODAに何が必要か——有識者懇談会提言のメッセージ
昨年11月にとりまとめられた提言では、NGOを含めたODA実施の担い手の多様化や、適正に実施できる経費の手当てのみならず、財源の民間調達に至るまで、先入観にとらわれない議論が闘わされた。その全容をレポートする。
伊藤 伸(構想日本)

特別連載企画◎歴代外務次官が語る平成日本外交史

湾岸戦争でイラン中立に尽力緊迫の北朝鮮核危機に臨む
斎藤邦彦(次官在任1993〜1995年)

激しさ増す日米経済摩擦普天間返還交渉に踏み出す
林貞行(次官在任1995〜1997年)

海外から見たHEISEI NIPPONの変容
変わらぬ外交環境、激変の国内を見据えよ
平成の三〇年間、日本を取り巻く環境は、何も変わっていない。北朝鮮の核も、中国の台頭もその頃すでに方向性は定まっていたからだ。平成の初め、日本のバブル崩壊を予言したジャーナリストが、未来を開く道を考える。
ビル・エモット(国際戦略研究所)

追悼 ジョージ・H・W・ブッシュ 元アメリカ大統領
日米関係を救ってくれた温かさ
岡本行夫(MIT 国際研究センター)

連載

数字が語る世界経済16
伊藤さゆり(ニッセイ基礎研究所)

《全文公開》ゴルゴ13 が教える海外安全対策5

Around the world

パリ協定実効化へ COP24の成果
亀山康子(国立環境研究所)

カショギ事件の波紋はサウジ経済と外交に
福田安志(アジア経済研究所)

外交最前線9
SDGsを通じて、豊かで活力ある未来を創る
2020東京五輪に向けて国民的機運が盛り上がるSDGs。そこには政府の地道な取り組みがあった。
春田博己(外務省)

ブックレビュー
梶谷懐(神戸大学)

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