外交Vol.44 Jul./Aug. 2017

44表紙小巻頭インタビュー                                 English
◎日本はTPP11に邁進せよ
-グローバル経済をリードする日本に
飯島彰己
(三井物産代表取締役会長)

特集◎北朝鮮危機を克服できるか

ミサイル防衛は新たな段階へ
今年三月、自民党がまとめた「弾道ミサイル防衛提言書」には、ミサイル防衛の拡大と敵基地攻撃能力の確保が提言されている。現状のミサイル防衛では何が足りないのか。「専守防衛」の原則と齟齬はないのか。座長を務めた小野寺氏に聞く。
小野寺五典(衆議院議員)

 

新しい「封じ込め」への戦略-北朝鮮をめぐる「不都合な真実」を超え
エスカレートする北朝鮮をめぐる情勢。
軍事的衝突を回避するためには、北朝鮮と日本をはじめ関係国にとっての「不都合な真実」を直視する必要がある。
その認識に立ち、解決策を探ることが有効だ。
秋山昌廣(安全保障外交政策研究会)

金正恩政権は外交戦に出るか
ICBMの発射実験に成功した後の北朝鮮の出方はどうなるのか。父・金正日時代とまた異なる背景をもつ金正恩の統治スタイルをとらえ、バイアスをかけずに分析することが肝要だ。
礒崎敦仁(慶應義塾大学)

北朝鮮経済をどう読み取るか-制裁下の量的・質的変化を探る
「北朝鮮の経済は破綻状態」
日本では広く流れ、信じられている観測だが、実際の北朝鮮経済はゆるやかに成長し、市場や民間企業の芽も生まれている。
実態をどのようにつかみ、どう考えるかが問われる。
伊集院敦(日本経済研究センター)

(※お詫びと訂正 本記事に関し、発売中の「外交」Vol.44号誌面(34~38ページ)においては、タイトルが「緩やかに成長する北朝鮮経済」となっております。このタイトルは編集部が作成したもので、筆者の意図するところではありません。読者の皆様および筆者にお詫び申し上げますとともに、上記に訂正いたします。)

米国は制裁から対話への工程表を描けるか
北朝鮮の核・ミサイル開発を抑え込むため、制裁だけではなく、対話も抜かりなく準備する必要がある。
カギを握る米国の動きを軸に、アクター間の利害の相関を読み解く。
道下徳成(政策研究大学院大学)

経済制裁「中国丸投げ」の虚実-中国の交渉力を弱める三つの要素
中国の圧力による北朝鮮の核・ミサイル開発蜂起は本当に実現されるのか。
中朝関係の変容から米中関係、トランプ大統領の狙いまで踏み込み、その実効性を検討する。
林載桓(青山学院大学)

文在寅政権が抱える安全保障と統一のジレンマ
朝鮮半島統一への考え方の違い—それが韓国と北朝鮮のすれ違いを生む。
文大統領の北朝鮮との融和方針は、さらに「生存承認」を求める北朝鮮の対韓国・米国戦略にも揺さぶられている。
木宮正史(東京大学)

◎トレンド2017

迷走する英国政治とEU離脱交渉の行方
メイ首相がEU離脱の国内基盤強化を訴えた総選挙は予想に反し保守党が敗北、行先は一気に不透明に。
世代や学歴の対立に揺れるイギリス政治は、ブレグジットのゆくえはどうなるか。
池本大輔(明治学院大学)

中国・一帯一路構想の広がりとその「死角」
初の「一帯一路」構想国際協力フォーラムには、130ヵ国、1500人が参加した。構想は中国の思惑どおりに広がりを見せるか。
国際社会における、中国政治・経済の「光と影」を見つめ、今後の展開を見通す。
青山瑠妙(早稲田大学)

新憲法・新国王の下でのタイ政治
混乱が続いてきたタイ政治は、プーミポン国王崩御の後、どうなるか。
ワチラロンコーン新国王の影響力は?最新情勢から考える。
浅見靖仁(法政大学)

インドネシア・イスラーム「保守化」の真相-ジャカルタ州知事宗教冒涜事件を読み解く
傍流のイスラーム保守派が率いた知事への抗議運動は予想外に盛り上がった。
現職知事が選挙で敗れたうえに宗教冒涜罪で有罪となった「事件」からは、政治や社会の変化に対応した、
保守派の戦略が浮かび上がる。
見市建(早稲田大学)

ミンダナオ戒厳令とイスラーム過激派-マラウィ市襲撃事件の構図
イスラーム過激派と政府軍が激しく戦闘し、混乱が続くミンダナオ島。
背景にはイスラーム過激派の分派活動と長年の紛争による社会状況の悪化がある。
ドゥテルテ政権は統治を確立できるか。
川島緑(上智大学)

(※お詫びと訂正 「外交」Vol.44誌面、89ページ下段5行目に校正の誤りがありました。読者の皆様および筆者にお詫びして、該当部分を訂正いたします。)

中東四ヵ国 テロ対策としての対カタール断交
サウジアラビアなどによる「突然の」断交劇。
その根底には、対テロ戦争最前線の地で、十分なテロ対策を講じてこなかったカタール政府の不作為に対する、
周辺国の怒りがあった。
中村覚(神戸大学)

権力と理想主義のはざまで
-コール元ドイツ首相の死を悼む

板橋拓己(成蹊大学)

◎FOCUS

紛争地域での平和構築を考える-南スーダンの経験から
国連PKOとして南スーダンの地で活躍した自衛隊施設部隊が撤収した。
その成果と課題を明らかにし、今後の南スーダン支援のみならずPKO戦略を展望する。
栗本英世(大阪大学)
越川和彦(JICA)
宮島昭夫(国際平和協力本部)
東大作(上智大学)

国連PKO・その潮流のうねりと日本
「国連PKOとは何か」を語れる日本人が、果たしてどれだけいるだろうか。
国連PKOと、日本による協力の歴史を振り返ることで、その意義と限界を確認し、これからの日本の役割と貢献のかたちを考える。
上杉勇司(早稲田大学)

カンボジア -イラク- 南スーダン- 経験に裏打ちされた自衛隊の実力
国連PKOへの派遣や特別措置法による活動など、紛争地の平和構築分野で自衛隊が果たしてきた役割は大きい。
イラク復興支援では現地で陣頭指揮をとった番匠氏が、自衛隊の国際平和協力活動の「進化」を語る。
番匠幸一郎(丸紅顧問)

南スーダンにスポーツで平和をつくる-JICAによる草の根からのスポーツ支援
騒乱続く南スーダンで、スポーツによる民族間の和解と国家統合の試みが実を結んでいる。
日本ならではの平和貢献、その着眼と努力の跡を振り返る。
古川光明(JICA)

ODAによる国際平和協力-人権・開発・平和構築
さまざまな問題の深刻の度が深まる国際社会で、「人権・開発・平和構築」が改めて注目されている。
日本のODAが主にアジア地域で「平和の配当」のサイクル作りに尽力した実績を振り返り、
これからの平和構築への貢献を展望する。
今福孝男(外務省)

連載企画

数字が語る世界経済
伊藤信悟(みずほ総合研究所)

アラウンド・ザ・ワールド
第2次ロウハニ政権の課題
坂梨祥(日本エネルギー経済研究所)

G7/G20 亀裂深まる米独
三好範英(読売新聞)

シモーヌ・ヴェイユの死
山口昌子(ジャーナリスト)

外交最前線 OECD改革
安部憲明(OECD代表部)

キャリアの話を聞こう
戸矢理衣奈(東京大学)

ブックレビュー
井上正也(成蹊大学)