「外交」Vol.41 Jan. 2017

Vol.41_表紙巻頭インタビュー
「変化の年」を展望する‐未来志向が実を結ぶ外交を
岸田文雄(外務大臣)

特集◎2017年 世界のゆくえ 日本の針路

◎日本外交の新展望◎

「日ロ協力の地」に踏み出した一歩‐日ロ首脳会談の成果と課題
岩田明子(NHK)

高まり過ぎた期待の反動で日本国内では失望感が流れたが、交渉の経緯を読み解くと日ロ関係は新展開を迎えたと言える。今後の日ロ交渉の行方はどうなるか。

問われる会談「後」の成果‐ロシアの視点から
下斗米伸夫(法政大学)

日ロ関係は、昨年末の安倍・プーチン会談を画期として大きな転機を迎えている。国際情勢をにらみながら、日ロ首脳会談の成果とロシアの戦略を読み解く。

資料:日ロ首脳会談における声明と今後の計画

安倍首相真珠湾訪問 過去に向き合う日米
ジェニファー・M・リンド(ダートマス大学)

同盟関係にあるといえども、かつて敵国同士だった国が、戦争の歴史を共有することは難しい。過去の暴力を直視し、双方の人々の苦しみを思う-そんな日米のプロセスを追いながら、歴史和解のあり方を考える。

資料 真珠湾における日米両首脳によるステートメント

◎トランプ政権の誕生と世界秩序◎

見えてきたトランプ新政権の主要人事
足立正彦(住友商事グローバルリサーチ)

トランプ新政権の布陣は保守派、有力支援者、身内で固められ、国内融和の要素は見られなかった。彼らはアメリカの針路をどこへ定めるのか。そのプロフィールから通商・安保政策の行方を探る

未調整の外交戦略-チーム・トランプにみる対立の萌芽
リチャード・マグレガー(ジャーナリスト)

トランプ政権の主要閣僚やスタッフが決まりつつある。外交・安全保障担当者の発言は、トランプ氏のこれまでの方針との相違も少なくない。今後の政策調整のプロセスは対立の芽を摘むのか、あるいは拡大させるのか。

強まる米中関係の不確実性-中国の海洋進出と台湾問題の行方は?
松田康博(東京大学)

トランプ当選後も波風がやまない東アジア情勢。米中関係の展望が不透明だからこそ、日本の役割は大きい。中国の海洋進出をヘッジする日米同盟の不断の調整と、信頼醸成のための対中関与政策が、日本外交の両輪であることを確認したい。

ポストTPPの通商構想-米国なき多国間貿易の試練
古城佳子(東京大学)

「TPPが雇用を奪う」。貿易政策の争点化がトランプ大統領誕生につながった。アメリカの貿易施策は保護主義化するのか、そうなった場合どのように紛争処理すべきか。TPP挫折後の世界貿易のゆくえを占う。

「トランポノミクス」実現を阻む壁
橋本政彦(大和総研ニューヨークリサーチセンター)

期待が先行して株高が続いているが、その実体は謎のトランプ経済政策。経済効果と政策効果双方に注目して、考えられる可能性をシミュレーション。「トランポノミクス」はどうなるか。

◎各国・地域情勢◎

仏大統領選挙が左右するヨーロッパの未来
ビル・エモット(ジャーナリスト)

もしマリーヌ・ルペン大統領が登場したら、EUはどうなる?ロシアやトルコはどう出る?フランス大統領選挙は、EUのみならずヨーロッパ全体の帰趨を決する、歴史の重要な転換点になるかもしれない。

「シリア後」に本格化する中東の覇権争い
酒井啓子(千葉大学)

シリア情勢の収束、中東介入をためらったオバマ政権の終焉で中東のパワー・バランスはどうなる。

新段階に入った日韓関係
西野純也(慶應義塾大学)

朴槿恵政権のレイム・ダック化で北朝鮮の挑発や「少女像」問題など難問山積の中、ぽっかりと生まれた政治空白。独特の権力構造や世論の動きを分析、韓国政治と日韓関係正常化の法性を探る。

「政治の季節」を迎える中国-習近平の権力基盤と課題
大越匡洋(日本経済新聞)

政権内を掌握し2期目を迎える習近平政権は、中国共産党一党支配を維持し、過去の屈辱的歴史からの回復をめざすが、経済成長の鈍化、トランプ政権との関係構築が大きな課題として立ちふさがる。

富国強兵を目指すインド・モディ政権の外交戦略
堀本武功(岐阜女子大学)

順調な経済成長に乗り、自らを大国と位置づけ、プレゼンスを主張する「インディア・ファースト」外交に転じたインド。その対米・対中関係に死角はないか。

◎グローバル・イシュー◎

米国不在でも進むパリ協定の枠組み
高村ゆかり(名古屋大学)

トランプ政権がパリ協定から脱退するのではないかと懸念されている。米国の政権交代で、世界の気候変動対策はどうなるか。世界のエネルギー大転換を牽引するパリ協定の本格始動に向けた取り組みこそが必要だ。

WAW! 2016レポート

ワークライフ・バランスと国際援助-自国の問題を意識しつつの、新しい援助のかたち
治部れんげ(ジャーナリスト)

ワークライフ・バランスのポテンシャルは大きいが、日本での浸透は十分ではなく「支援国」とはいえない。自国に課題を抱えながらの援助のキーは「理解と尊敬」だ。

女性の労働参加で日本は世界的リーダーシップを
アランチャ・ゴンザレス(国際貿易センター)

アラウンド・ザ・ワールド
イタリア 国民投票
植田粧子(共同通信)

インド 高額紙幣無効化
西澤知史(日本貿易振興機構)

トルコ クルド問題の深層
吉田昌樹(共同通信)

イラン サフサンジャニ
鈴木均(アジア経済研究所)

タイ 国王の権威
今泉慎也(アジア経済研究所)

連載

数字が語る世界経済
伊藤さゆり(ニッセイ基礎研究所)

キャリアの話を聞こう
塩澤一洋(成蹊大学)

ブックレビュー
梶谷懐(神戸大学)

Information/英文目次/IN&OUT