Vol.40 Nov. 2016

%e5%a4%96%e4%ba%a4web%e7%94%a8vol-40巻頭インタビュー                                   English
科学技術を文化に
-世界に対して

    アクションを起こす-

毛利衛(日本科学未来館館長)

特別企画
◎トランプのアメリカを読む

規格外の政治家
  -ドナルド・トランプの実像
西川賢(津田塾大学)

ドナルド・トランプとは何者なのか。生い立ちと家族、選対スタッフの陣容、政党帰属と政策、政治資金などの面から、ワシントンのアウトサイダーの姿を描き出す。

対談
誰も「彼ら」の怒りに見向きもしなかった
      -白人労働者層の「革命」とトランプ政権
久保文明(東京大学)
中山俊宏(慶応義塾大学)

現状に不満を抱く白人労働者層を中心とした人々の怒りや焦り。それを動員したトランプ氏の勝利は、ある種の政治革命と言えるだろう。そんな革命的政権の内政・外交を展望する。

インタビュー
新政権に問われる「関与」への責任
ジョン・J・ハムレ (米戦略国際問題研究所)

連邦上下両院選挙と今後の政局
足立正彦(住友商事グローバルリサーチ)

大統領選挙と同時に実施された上下両院選挙。トランプ氏が次々に民主党を破った州では?トランプと共和党主流派の対立関係や法案などの争点が選挙に及ぼした影響は?ねじれ現象解消後の議会を占う。

◎報道の世界
モスクワ発
「ヒラリーではなかった」と安堵
駒木明義(朝日新聞)

ブリュッセル発
ポピュリズムの連動に危機感
長尾香里(NHK)

資料・データで振り返る米国大統領選挙2016
「外交」編集部

特集◎技術革新と安全保障

対談:政府はサイバー空間を守れるか
土屋大洋(慶應義塾大学)
齋藤敦(外務省)

世界中でサイバー空間における攻撃が続いている。この状況を受け、今年七月、外務省はサイバー安全保障政策室を設置した。新たな形の脅威に、日本はどのように立ち向かうか。

自動化・無人化技術が開く世界-その可能性と倫理
佐藤丙午(拓殖大学)

ドローン技術に代表される無人化・自動化技術は、安全保障分野で先端技術の一つになっている。現在の技術水準と将来の可能性を明らかにするとともに、一方で広がる人道上の懸念に対する取り組みも考える。

米・中が開発競う「デュアルユース」技術
角南篤(政策研究大学院大学)

民生用と安全保障両用の可能性をもつ技術、デュアルユース。中国はこの技術で宇宙や深海など、未踏地域への進出を急いでいる。先行する米国、本格的な研究が急がれる日本。今後の競争を展望する。

新しい安全保障と技術管理
鈴木一人(北海道大学)

物理・情報両面で戦う「ハイブリッド戦」の時代、兵器に転用可能な技術の流出防止は急務だ。「戦場」がサイバー空間にも広がったいま、民生技術・汎用技術をどのような規制で守るか。グローバル市場の中で、日本の技術管理はどうえるべきか。

米国のサードオフセット戦略‐その歴史的文脈と課題
齊藤孝祐(横浜国立大学)

軍事技術、作戦構想や兵站を革新、競争国との優位性を確保する米軍オフセット戦略の「第三の波」が来た。背景にある技術革新や財政圧迫の影響を探り、さらに日米安保プレゼンスのゆくえを占う。

TREND2016

ドゥテルテ外交はどこへ向かうか
  -米・中との「等距離勢力均衡」外交への回帰
レナート・クルーズ・デ・カストロ
(フィリピン・デ・ラサール大学)

アメリカとの同盟関係から離脱を図るフィリピン。中国に対する依存を強めているように見えるが、ドゥテルテ大統領の真意は「等距離外交」にあり、経済は中国、安全保障は日本と結びつきを強めることで、バランスを取ろうとしている。そんなドゥテルテ「小国の戦略」を分析する。

現実的脅威となった北朝鮮の核・ミサイル
平井久志(ジャーナリスト)

北朝鮮の核・ミサイル開発は着々と進んでいる。もはや「非核化」の試みは現実的でない。国際的孤立により核・ミサイル開発へと突き進む北朝鮮を立ち止まらせるには、「対価」を明示した大胆な対話が必要だ。

拡大するエネルギー憲章条約の意義
  -日本のエネルギー安全保障のために
山野内勘二(外務省)

いま世界で、原油安や需給構造の変化などエネルギーをめぐる地殻変動が起きている。安定供給と投資のサイクルを保障するエネルギー憲章条約は、世界経済の安定のみならず、世界の成長にも寄与している。

象牙の国際取引問題-保全への影響を再考する
石井信夫(東京女子大学)

絶滅が危惧される生物を保護するために、国際的な商取引が禁止されるこことは間々ある。しかし最近、取引禁止がかえって種の絶滅を促しかねないことが指摘されている。ワシントン条約締約国会議での議論を踏まえながら、野生生物保全のあり方を考える。
※お詫びと訂正 「外交」Vol.40の121ページ上段15行目「1907年以降」の表記は、筆者による「07年以降」の原文を「外交」編集部が確認なく誤って表記したものです。筆者および読者の皆様にお詫びいたしますとともに、上記部分を訂正いたします。訂正版は上記タイトルのリンク先からご覧ください。)

国連外交 世界を導く理念を掲げよ
納家政嗣(上智大学)

日本は今年国連加盟60年を迎えた。冷戦終結後、活動の範囲を広げる国連だが、その拡大ゆえに、新たな目標を必要としている。世界を方向づけるような理念を、日本から発信したい。

安倍内閣総理大臣の米国訪問と国連総会一般討論演説
「外交」編集部

連載

数字が語る世界経済
伊藤信悟(みずほ総合研究所)

アラウンド・ザ・ワールド
中国 六中全会‐渦中にある政治勢力の再編
青山瑠妙(早稲田大学)

イラク、モスル奪還作戦の展望
吉岡明子(日本エネルギー経済研究所)

コロンビア和平の行方
二村久則(名古屋大学)

パスポートが変わる!
旅券150年の歴史と将来
能化正樹(外務省)

キャリアの話を聞こう
大宮透(小布施町特別職)

ブックレビュー
『ポピュリズム化する世界』
板橋拓己(成蹊大学)

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