「外交」Vol.39

vol-39_%e8%a1%a8%e7%b4%99巻頭インタビュー                                  English
「希望と自尊」のリオデジャネイロ・オリンピック
アンドレ・コヘーア・ド・ラーゴ(駐日ブラジル連邦共和国大使)

特集◎動揺する戦後国際秩序

鼎談
中国の海洋進出に「国際化」で対処せよ
阿南友亮(東北大学)
小原凡司(東京財団)
加茂具樹(慶應義塾大学)

「失われた領土」を求めるだけではなく、政権イニシアチブの変化や内政のガス抜きなど、多様な貌をもつ中国の海洋進出。日本と世界が、どのように相対すべきかを探る。

南シナ海仲裁判断の射程-法的根拠、経緯、その意義を見る
濱本正太郎(京都大学)
南シナ海の法的地位などが激しく争われた仲裁判断が出た。攻防の舞台裏を、仲裁の仕組みをふまえて検証すると、中国も判断を意識せざるを得ないことがわかる。新時代の国際紛争解決手段のかたちはどうなるか。
※お詫びと訂正 「外交」Vol.39誌面、28ページの中見出し「島か岩か―日本への影響」の「島か岩か」の部分は、筆者の確認なく編集部が作成したものです。読者の皆様および筆者にお詫びして、該当部分を訂正いたします。)

深刻さ増す日本の領空防衛-不十分な法的基盤への警鐘
外薗健一朗(日本電気株式会社・元航空幕僚長)
東シナ海における中国船の侵入など海洋秩序の安定に注目が集まるが、空をめぐる状況も深刻さを増している。中国機・ロシア機に対するスクランブル発進の増加、北朝鮮からのミサイル危機など、危機の度合いが高まる現状に、元航空幕僚長の外薗氏が警鐘を鳴らす。

鼎談
国際協力と安全を考える
板橋 功 (公共政策調査会研究センター長)
谷山博史 (国際協力NGOセンター理事長)
山田滝雄 (外務省)

ダッカの襲撃事件や南スーダンの情勢悪化など、国際援助の現場では、地域的なリスクが高
まっている。いったい何が起きているのか。現地で活動する企業やNGOの対処能力を高め
るためにはどんな対策が必要か。そして、国はどのようなサポートが可能なのか。

拡散するテロをどう封じ込めるか
河本志朗(日本大学)
パリ、ニース、ブリュッセル、ドイツ・バイエルン……。ヨーロッパに「ホーム・グロウ
ン・テロ」が拡散している。なぜ暴力的イスラム主義は世界に拡散するのか。若者たちの「過激化」を止める手立てはあるか。二〇二〇年東京五輪を控えたわが国はどうする。

在外邦人の安全を確保するために
能化正樹(外務省)
海外在留邦人は現在132万人、渡航者は年間約1600万人にも及ぶ。テロへのリスクが高まる中、外務省は邦人への情報提供に力を入れ、メール安全情報サービス「たびレジ」を展開する。

◎小特集
「危険ゼロはない」が、パリっ子の合言葉
山口昌子(在仏ジャーナリスト)

南ドイツで高まるテロの不安
熊谷徹(在独ジャーナリスト)

出身民族へ回帰する「米国産」テロリスト
高濱賛(パシフッィク・リサーチ・インスティチュート)

TREND2016

エルドアン政権「強権化」の構図‐トルコの勢力バランス変化を読み解く
澤江史子(上智大学)
クーデター失敗後、関係者の大規模な逮捕・拘留が行われているトルコ。宗教と民族の「4つの対立軸」のバランスは。エルドアン大統領の次の一手はどうなる。

南スーダンはどこへ行くのか‐国際社会の調停と苦悩
東大作(上智大学)
ふたたび内戦の危機高まる南スーダン。地域機構や国連が調停に乗り出す一方、情勢は緊迫の度をさらに深める。筆者は現地で当事者に取材し、あわせてわが国の行き方を探った。

第六回アフリカ開発会議(TICADⅥ)報告 
初のアフリカ開催で深まった官民連携
藤田順三(特命全権大使、アフリカ開発会議、アフリカにおける地域経済共同体(RECs)・平和・安全保障担当)
科学技術とイノベーションでアフリカを豊かに
岸 輝雄(外務大臣科学技術顧問)

台湾の新南向政策と新移民‐蔡英文政権「脱中国依存」の構図
鈴木玲子(毎日新聞)
台湾・民進党の蔡英文政権は中国経済への依存状態からの脱却を目指し、アジアとの多元的な経済交流を進める新たな経済戦略「新南向政策」を掲げる。その背景の一つに台湾社会に広がる東南アジアからの移民の存在がある。

特集動揺する戦後国際秩序 2

鼎談
欧米に広がる反グローバリズム-移民・難民排斥の深層
高安健将(成蹊大学)
森井裕一(東京大学)
渡辺靖(慶應義塾大学)

難民に揺れるドイツ、EU離脱に向かうイギリス、一国主義が叫ばれるアメリカ。先進国の政治を混乱させる、世界規模での中間層の瓦解、そして大衆の生活不安。その矛先が排外主義に向かうとき、世界の安定は失われる。

「反クリントン」で結束図る共和党
渡辺将人(北海道大学)
共和党候補として本選に勝ち上がったトランプだが、肝心の足元を固められない。右往左往する有力者を巻き込みながら展開される、主流派V.S.反主流派、伝統的支持者V.S.新興支持者、大統領選V.S.議会選……複雑な連立方程式を解きほぐす。

英国メイ新政権が担うBREXIT国民投票の「後始末」
水鳥真美(セインズベリー日本藝術研究所)
「その後」の宰相は、ババ抜きの末決まった。手堅さが好感されるメイ新首相だが、G20では早速、各国から難題を突き付けられた。対外的にも、至る所に広がった亀裂を修復できるか。

「ドイツ1強時代」の後に来るもの‐動乱期を迎えた欧州
岩間陽子(政策研究大学院大学)
「ドイツ1強時代」の終焉-アメリカ・トルコの移民と歴史変動を俯瞰して、情報の流れが速い現代の難民危機が何をヨーロッパにもたらすかを見わたしてみる。

「皇帝」プーチンの権力構造と日ロ関係
駒木明義(朝日新聞)
ロシア軍機撃墜事件を早期解決させるなど外交をダイナミックに展開させるプーチン大統領。内では側近の若返りを図り、社会全体にプーチンに「物言えぬ」雰囲気も漂う。日ロ首脳会談と北方領土交渉のゆくえはどうなるか。

ロシア外交国際協調の条件‐領土と安全保障をめぐる対話の可能性
クリフォード・ギャディ(ブルッキングス研究所)
プーチン外交は単なる国際ルールの無視なのか?「負けたくない」強い意識が欧米社会との軋轢を生み出している。プーチンの苛立ちを理解することが、解決への第一歩だ。

Around the world

日中間で苦悩する韓国―2つの首脳会談を読む
中島健太郎(読売新聞)

どうなる香港独立論-香港立法会選挙で本土派伸びる
倉田徹(立教大学)

タイ民政復帰への展望
玉田芳史(京都大学)

変貌するイスラエル占領地
船津靖(広島修道大学)

連載

数字が語る世界経済
伊藤さゆり(ニッセイ研究所)

キャリアの話を聞こう
山口やよい(国際刑事裁判所)

ブックレビュー
梶谷懐(神戸大学)

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