「外交」Vol.36

Vol.36表紙小巻頭インタビュー
国際協調と自由貿易への原点回帰       
    -G7が体現する価値とは何か

五百旗頭真(熊本県立大学理事長)

特集◎G7伊勢志摩サミットを展望する

鼎談
「課題先進国」日本の経験を共有財産に
長嶺安政(外務審議官)
実哲也(日本経済新聞)
田所昌幸(慶應義塾大学)

開催まで2ヵ月を切ったG7伊勢志摩サミット。議長国として日本が発信すべき「G7らしい」
アジェンダを提起するとともに、丁々発止の議論が飛び交う首脳外交の醍醐味を語る。

サミット参加国首脳の横顔/サミットあれこれQ&A

インタビュー
「伝統と革新」の力を世界に示す
鈴木英敬(三重県知事)

伊勢志摩サミット 成功の四条件
ロビン・ハーディング(フィナンシャル・タイムズ)
さまざまな問題を抱えて集まる各国首脳。利害を超えて多くの合意を生み出すため議長国日本は、いかに「盟友」をつくりだし、どのようなリーダーシップをとるべきか。

新興国との共存はAIIBが試金石
             -G20時代の経済秩序とG7

飯田敬輔(東京大学)
21世紀に入り新興国の台頭は目覚ましく、特にリーマンショック以降は「G20の時代」に入った。G7は、欧米主導の経済覇権に挑戦する新興国と、協調的な経済秩序を構築できるだろうか。

アジアと欧州の安全保障
    クロスレファレンスの必要性

神保謙(慶應義塾大学)
9.11後にグローバル化した安全保障環境は、地域の勢力均衡や領土防衛の「地理の縮小」局面を迎えた。アジアと欧州は緊密な政策の「相互参照」で、グローバルな規範の維持を図るべきだ。

国際テロリズムに備える三層の封じ込め
宮坂直史(防衛大学校)
国際テロの勢いは止む気配がない。ISのような組織に対抗するベスト・プラクティスも確立されない中、G7でわが国はどんなイニシアチブを取るべきか。国際テロリズムの構造を鳥瞰して考える。

2000年沖縄サミット回顧録
      政(まつりごと)としての沖縄サミット

山田文比古(東京外国語大学)
外務省出向の沖縄県職員として二〇〇〇年のサミット誘致に尽力し、国内初の地方開催を成功に導いた実務面の立役者の一人が山田文比古さんだ。国内のサミット開催の常識を塗り替えるインセンティブや決め手は何だったのか。サミットの地方開催の意義と特色を見据える。

開発と安全保障をつなぐ日本のグローバルヘルス戦略
武見敬三(参議院議員)
パワーポリティクスの中で、日本の存在感は「人間の安全保障」の推進と持続可能な開発にあり、その核はヘルスケアにほかならない。サミットで、いかなるリーダーシップを取るべきか。

広島外相会合と正念場を迎えた核軍縮・不拡散
黒澤満(大阪女学院大学)
最終文書に合意することができなかったNPT再検討会議。イランが核不拡散に協力する進展がある一方、北朝鮮の核兵器使用の挑発はやまない。最近の核軍縮へのアプローチを総合的に検討し、わが国が取るべきイニシアティブを探る。

長引く原油安の背景と世界経済への「負の影響」
小山堅(日本エネルギー経済研究所)
2016年初頭の世界経済は、中国経済リスクによる株安と原油安に揺さぶられている。原油は原料であるが金融商品でもあり、その下落は世界経済の先行き不安につながりかねない。生産計画、地政学上リスクなど、その先行きを見通す。

プーチンはG7と協調できるか
   —対テロ戦争、対中関係で協調の余地はあるか?

兵頭慎治(防衛研究所)
クリミア問題で「主要八カ国」の座から追われたロシア。それに対するプーチン大統領の強硬姿勢の裏側には、ロシアがG8に「政治的に取り込まれた」という事情が透けて見える。この状況を打開する方策は。日本の役割とは。

トレンド2016

慰安婦問題 日韓合意の舞台裏
箱田哲也(朝日新聞)
電撃的と受け取られた日韓合意成立。その交渉は三年越しで実ったものだった。両国トップと実務者はどう動いたか。外部要因に翻弄された交渉経緯に肉薄し、日韓関係のゆくえを占う。

金正恩体制 党大会への焦り
     核実験・ミサイル打ち上げの意図と影響

平岩俊司(関西学院大学)
核実験、事実上のミサイル発射実験など北朝鮮の示威行動が再び激しくなっている。五月に行われる朝鮮労働党大会の意図とは。そしてアメリカとの交渉を希望する本音とは。正しい分析と中国を含めた国際協調が求められる。

3・11から5年 復興を後押しする国際協力
未曽有の大災害から五年が経過し、被災地の復興の姿が少しずつ見え始めた。その歩みを後押しする国際社会からの協力も数多く寄せられている。そのなかから、自ら被災地に足を運び、過疎地の再生や食の安全への風評被害など、いまなお深刻な課題に対してサポートを続ける、クウェートとニュージーランドの大使に話をうかがった。

インタビュー
アブドルラフマーン・アルオタイビ(駐日クウェート大使)
慰問で感じた被災者の思い 被災地に絆を生み出す支援を

ウィリアム・マーク・シンクレア(駐日ニュージーランド大使)
ふたつの震災が強く結ぶ農業分野のパートナーシップ

FOCUS◎中国経済はどうなる

避けて通れない国有企業の民営化—
   「供給側改革」の成否を決めるカギに

関志雄(野村資本市場研究所)
成長率の低下に歯止めをかけようとする中国。そのためには民間企業に経済発展の原動力となってもらうことが必要だ。しかし遅々として進まない国有企業改革が、民間企業の活力を奪いかねない現実として立ちはだかっている。

人民元「国際化」の世界経済戦略
朱炎(拓殖大学)
中国人民元は国際通貨ではない。元の海外使用、世界的な決済を進めているのに、なぜ意図的にその道を選ぶのか。そこにはドル中心の世界経済体制に与しないという、中国政府の強い意志がある。

封じ込められた不満 中国「世論戦争」のゆくえ
阿古智子(東京大学)
いま中国では、サイバー空間を主戦場に、格差社会に不満を訴える言論と、それを取り締まる政府との攻防戦が繰り返されている。インターネットでさえ統制が厳しくなる状況は、社会の閉塞感を強め、政府批判の導火線となりかねない。

連載
マンガを見れば世界がわかる
西川恵

マーケットの眼
伊藤洋一

見出しで学ぶニュース英語
徳川家広

キャリアの話を聞こう
東大作(上智大学)

ブックレビュー
板橋拓己(成蹊大学)

論文コンテスト発表と講評

INFORMATION/外務省広報

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